なぜ人は「つい買ってしまう」のか?心理効果の“掛け合わせ”が生む購買行動
私たちが無意識のうちに商品を手に取る背後には、心理学的な仕掛けが存在します。
企業は 行動心理学 を巧みに活用し、消費者の購買意欲を引き出す仕組みを設計しているのです。
その詳細については下記の記事で詳細と心理効果を説明させていただきました。
そして、これらの 心理効果は単体で機能するだけでなく、掛け合わせることでさらに強力な影響を与える ことが分かっています。
例えば、バンドワゴン効果(多くの人が買っていると自分も欲しくなる)とアンカリング効果(最初に見た価格が基準になる)を組み合わせることで、「人気商品だから今買わなきゃ!」という強い購買意欲を生み出すことができます。
本記事では、以下の前記事でもお伝えした6つの心理効果 を複数組み合わせたマーケティング事例を紹介し、 「なぜ人は衝動的に購入してしまうのか?」をより深く解説していきます。
- スノッブ効果(限定品ほど欲しくなる)
- バンドワゴン効果(みんなが買っていると欲しくなる)
- アンカリング効果(最初に見た価格や情報が基準になる)
- ロスアバージョン(損失を避けるために購入する)
- ピークエンドの法則(印象に残る体験が購買意欲を左右する)
- ザイオンス効果(繰り返し目にすると好感度が上がる)
マーケティングの仕事をしている際にユーザーの行動からどのような心理状態かを理解した上で施策を構成することが売上を向上につながります。この心理効果をうまく活用することが結果に結びつく施策となります。
それぞれの心理効果がどのように組み合わされ、私たちの購買行動に影響を与えているのか。
実際のマーケティング事例を通じて詳しく見ていきましょう!
2. 6つの心理効果を掛け合わせたマーケティング戦略
ここでは、6つの心理効果 をうまく組み合わせたマーケティング事例を紹介します。
単体の効果だけでなく、複数の心理効果を組み合わせることで、さらに強力な購買誘導が可能になります。
スノッブ効果 × バンドワゴン効果「希少性」+「社会的証明」
「残りわずか!みんなが買ってる人気商品!」で購買欲を刺激
活用事例: Nikeのスニーカー販売
- 限定モデルを「〇〇足限定」と発表(スノッブ効果)
- 販売開始後、SNSで「もうすぐ完売!」と拡散(バンドワゴン効果)
- 「有名アーティストも愛用中!」とインフルエンサーが紹介(社会的証明)
- 「限定○○個」と「大人気!」の組み合わせで希少性を強調
- SNSや口コミで「みんなが買っている」感を演出し、購買意欲を加速
アンカリング効果 × ロスアバージョン「価格の見せ方」+「損失回避」
「通常価格10,000円 → 今だけ5,980円!」でお得感を演出
活用事例: Amazonのタイムセール
- まず、通常価格10,000円を表示し、「今なら40%オフ!」と見せる(アンカリング効果)
- 「セールはあと3時間で終了!」とカウントダウン(ロスアバージョン)
- 「この商品は過去24時間で500個売れました!」と表示(バンドワゴン効果もプラス)
- 最初に高い価格を提示し、その後割引価格を見せるとお得に感じる
- 「今買わないと値上がりする」という恐怖で行動を促進
ピークエンドの法則 × ザイオンス効果「印象の作り方」+「単純接触」
「購入後のサプライズと繰り返し接触でリピーター化」
活用事例: スターバックスの会員プログラム
- 購入後に「無料クーポン」がもらえる(ピークエンドの法則)
- 「また来たくなる!」と思わせ、次回来店を促す
- アプリやSNSでキャンペーン情報を頻繁に発信(ザイオンス効果)
- 「最後に良い印象」を与えると、また利用したくなる。
- 広告やSNSで繰り返し接触することで、ブランドの親しみを強化できる。
スノッブ効果 × ザイオンス効果「希少性」+「単純接触」
「希少価値のある製品」と「繰り返しの接触」でブランド価値を最大化
活用事例: Apple新製品の「新色」「特別仕様」 などの要素追加
- iPhoneの「Pro限定カラー」(例:ディープパープル、チタニウムモデル)
- 「予約しないと手に入らない」戦略で高級感を演出
- 大々的な広告キャンペーン(CM・Web広告・イベント)で 繰り返し接触(ザイオンス効果) を活用
- 「特別な色」「Proモデル限定」で希少価値を演出する。
- TVやYouTube広告、Apple Storeのディスプレイなどで繰り返し接触する環境を構築。
ロスアバージョン × ピークエンドの法則「損失回避」+「印象の作り方」
「無料トライアルの終了直前」に「視聴履歴やレコメンド機能」で継続を促す
活用事例: Netflix無料トライアルを提供し、損失回避を意識させ、ユーザーに合わせたおススメ作品を紹介する。
- 無料トライアル最終日に「この特典を逃しますよ!」という通知を送信
- 「解約すると、お気に入りのリストが消えます!」というメッセージで継続を促す(ロスアバージョン)
- 「今すぐ解約できます」と伝えつつ、ユーザーの視聴履歴を活用したオススメ作品 を紹介(ピークエンドの法則)
- 「解約すると視聴できなくなる」という 損失回避を活用する
- ユーザーの最後の視聴体験をポジティブに演出する
バンドワゴン効果 × ロスアバージョン「社会的証明」+「損失回避」
「あと〇人が閲覧中!」で競争意識を煽る
活用事例: メルカリ複数のユーザーが閲覧していることが確認でき、他のユーザーとの競争を煽る戦略
- 「この商品はあと○人が閲覧中!」(バンドワゴン効果)
- 「過去24時間で○個売れました!」
- 「このままでは売り切れるかも…お早めに!」(ロスアバージョン)
- 「多くの人が買っている=良いもの」と思わせる
- 「今買わないと損するかも」と感じさせる
6つの心理効果を掛け合わせたマーケティングの成功事例
企業 | 活用した心理効果 | 具体的な施策 |
Nike | スノッブ効果 × バンドワゴン効果 | 限定スニーカー × SNSでの完売情報拡散 |
Amazon | アンカリング効果 × ロスアバージョン | 通常価格を先に見せて「今なら40%オフ」 |
スターバックス | ピークエンドの法則 × ザイオンス効果 | 購入後の無料クーポン × SNS接触頻度UP |
Apple | スノッブ効果 × ザイオンス効果 | 限定カラーのiPhone × 繰り返し広告&CMでブランドイメージ強化 |
Netflix | ロスアバージョン × ピークエンドの法則 | 無料トライアル終了直前に「特典を逃しますよ!」と通知し、継続を促進 |
メルカリ | バンドワゴン効果 × ロスアバージョン | 「この商品はあと〇人が閲覧中!」と表示し、今すぐ購入しないと損と思わせる |
活用事例についてWebマーケターN@k1chiとしての内容からの解説

他社が使っている活用事例を心理学的な側面からみるととても勉強になります。さまざまな気づきから、今自身で行っているビジネスにこの活用事例は使えそうだと判断し、アウトプットすることが重要となります!
ビジネスによってターゲットや商品サービスの価格帯などの販売戦略によって当てはまらない場合もありますが、自身の知識としてインプットしているといざという時の企画案などのアウトプットに活用できると思います!
心理効果の“掛け合わせ”で購買意欲を最大化し、売上アップを目指そう!
6つの心理効果 を掛け合わせたマーケティング事例を紹介しました。
単体でも強力な心理効果ですが、複数の効果を組み合わせることで、さらに高い購買意欲を引き出す ことが可能です。
マーケティング担当者やビジネスオーナーにとっては、心理効果の活用は売上アップに直結する重要なスキル です。
業界やターゲットに応じて、どの心理効果をどう組み合わせるかを考え、自社のマーケティング施策に取り入れてみましょう!